ワイルダーならどうする?
アメリカの入国審査、入念に準備しなくてはなりません。
不法移民が国家的課題であるアメリカの入国審査の厳しさは巷でよく聞くところ。どうやらアメリカでは入国審査官に大きな裁量が与えられているようで、ネットではパッケージツアー等の観光客でもごく稀に強制送還されるケースがあるという話も。......そんなヒドい話があるとは。
私のアメリカ滞在期間は「約3ヶ月」、目的は「旅行」
うーん......確かにちょっと怪しいかな。
アメリカにはこんな入国審査官もいる。
数々の名作を残した映画監督で脚本家のビリーワイルダーはナチスの迫害から逃れるため、欧州から米国に移住した。ビザはメキシコの米領事館で申請した。送還されれば命を失う危険もある。不安な思いでいると職員から仕事を尋ねられた。「脚本を書いている」と答えると、「いいのを書けよ」と入国を認めてくれた。
「私はそれ以来ずっといい作品を書くよう努めてきた。あの名前も知らない男性のおかげで今の私がいる」。ワイルダーは晩年のアカデミー賞授賞式で50年以上も昔の一言に感謝した。自分を支えてくれる言葉が心にある人は幸せだ。
2014年4月7日(月) 読売新聞「編集手帳」
イカした入国審査官に出会うことを祈るばかりの今日この頃。