Soul-Searching Travel !!

アメリカ旅行の思い出(2014年9月2日〜11月28日)

モミジまんじゅう!

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今回の旅の宿は、ニューヨークからハートフォードまで全て「airbnb(エアビー・アンド・ビー)」を利用している。
airbnb」とは「エアベッド(airb)アンド(&)ブレックファスト(b)」、簡単に説明すると現地の住人にエアマットと朝食だけ出してもらい、空き部屋で寝泊まりすることのできるサービスである。

ホテルでもなく、ユースホステルでもなく、普通のアメリカ人の家に泊まる。エアマットと紹介したが、実際はたいていの場合空き部屋とベッド、トイレ、シャワーはもちろんのこと、洗濯機や乾燥機まで使わせてもらえる。

部屋に帰るとホストの人が
「おかえり。」
と声をかけてくれる。
「今日はどこへ行ってきたの?」「明日は?」「オススメのレストランを紹介するわ。」
それは、まるで自分がアメリカに家を持ち、そこで暮らしているかのような気分である。

「カウチサーフィン」と違い、代金を支払わなくてはならない。基本的にユースホステルと同じ程度の金額で、だいたい一泊4000円〜5000円。難点としては、一般人の家に泊まるので、場所がダウンタウンから離れた郊外になってしまうことが挙げられる。

Wikipediaによれば、創業者の2人は当時サンフランンシスコで家賃が払えていなかった。そのためエアマットを3つ用意し、リビングを部屋として貸し出したのが始まりだそうだ。

こんなことって、正直言って誰でも思いつきそうだ。でも、誰もこのアイデアをここまで徹底的に実行しなかった(同じようなサイトがあるのかもしれないが)。Facebookmixiなど、「××が学生時代に立ち上げた......」っていう例を聞くと、すごいなって思うと同時に、少し悔しい思いをする。まさにコロンブスの卵。(ちなみに、卵は底を割らずとも平面の上に立てることができる。)

現代はまさに大IT時代。アイデア➕ITの先には、無限の広がりが見られる。
ITによって世界がどんどん小さくなっている。
物事にかかる時間がどんどん短くなって、情報がどんどん増えていく。

「ちょっと待てよ......?これって世の中をどんどん忙しくしてるっていう見方もできるんじゃないか......?」

高校の生物の先生がこんな話をしてくれた。

とあるカンファレンスでの話。
いま世界が抱える大きな問題の一つが食糧危機。人口がうなぎのぼりに増えているのにもかかわらず、食糧がうまく配分されていない。貧困地域では、食べるものがなくて死んでいく人たちがいる。

この状況を打開すべく、世界中の「頭の良い」人たちが、様々な知恵を絞っている。ある科学者がこんな発表をした。
「我々が新しく開発したこの品種の作物は、これまでの2倍の収穫をえることができる。さらに、これまで作物を育てることができなかった厳しい環境の地域でも、この品種なら、育てることができる。この品種は、まさに時代の救世主となるであろう。」
観衆はその素晴らしさに感動の声をあげている。発表した科学者は、なんとも誇らしげである。

しかし、その日たまたま一般参加者としてこのカンファレンスに参加していたしがないおじさんが、発表者にこんな質問をした。

「その新品種の作物を世の中に広めたら、今度はもっと激しい勢いで人口が増えますよね......?」

進歩って一体なんなのだろうか。

僕の好きなNHKの番組「ニッポンのジレンマ」では、チームラボの代表である猪子寿之さんが確かこんなことを言っていた。(僕の記憶のなかの話で、正確ではない。)

科学の進歩が生み出す負の側面を訴えるコメントに対して。(例えば遺伝子操作技術が発達すると、親が自分の子供を、自身の望むような能力を持つようにデザインすることが理論上できるようになる。これから生まれてくる子供の意思、望みを聞くこともなく、親が子供をデザインしてしまう。)

「進歩がもたらす負の側面なんて考えるわけないじゃん。そんなの、後から法律やらなんやらでどうにかおさめてよ。例えば『自動車』を発明するとするじゃん。それまで2時間、3時間かけて通ってた彼女の家まで、30分で行けるようになるんだよ。そしたら遊べる時間がうんと増えるんだよ。こっちは彼女に早く会いたくてしょうがないんだよ。自動車を開発する科学者が、まさか『こんなにスピードの出るものをつくってしまえば、事故で死ぬ人が出てくるかもしれない』なんて考えるわけないじゃん。」

数十年、数百年前にヒトが「火」を使い始めた時点で、すでに進歩は始まっている。「自然界の掟」に背く行為は、もうかれこれ数十年、数百年やってきたことなのだ。

人間って悪いやつだ。