Soul-Searching Travel !!

アメリカ旅行の思い出(2014年9月2日〜11月28日)

富良野に帰ってくんだぞ!

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T君とテムに、アヴァとジョシュ。別れを惜しみつつボストンを後にする。
アメリカの旅、第3の都市はポートランド。緯度で言うと北海道と等しい、北の街だ。

ややこしいことに、アメリカには同じ名前の都市がいくつもある。これは通り(道)の名前についても同じ(「スプリング・フィールド」をいくつ見たことか!)。御多分に洩れず、西海岸にも有名な街「ポートランド」がある。混乱を避けるために、「ポートランド、メイン」とアメリカ人は呼ぶ。そう、これから向かうポートランドメイン州ポートランドだ。

ポートランド」と聞いてもポカンとする日本人はたくさんいることだろう。僕もそのうちの一人。特にこの街についての予備知識は持ち合わせていない。ガイドブックには「自然が美しい街」とある。時間に余裕もあるので、軽い気持ちでこの街をチョイスしてみた。
「自然が美しい」、特に何の面白みもない街によく使われる修飾語。

さて、ボストンからまたバスに乗り込まなくてはならない。長距離バスで都市間を移動し、ローカルバスでバスターミナルからair bnbの宿に向かう。長距離バスを利用した移動に関して、技術上は特に困ることはない。街の中心にあるバスターミナルに行きチケットを入手、ゲートと時間を確かめて、バスに乗る。あとはバスの中でじっとしているだけ。気がついた時には次の街だ。

問題はバスターミナルからair bnbの宿(だいたい郊外にある)へ向かう時。ローカルバスを利用する。Googleマップがスマートにルートを教えてくれるものの、各都市によってバス停の表示が違っていたり、バスの本数が少なかったり、バスの料金が違っていたり。こうしてみると大したことないように思えるが、言語の異なる見知らぬ地では、ちょっぴり不安が増幅される。

今回も問題なくポートランドのバスターミナルに到着した。さて、ここからが勝負。当日のポートランドはあいにくの雨。事態が少し悪化する。Googleマップが指示するルートを頭に叩き込み、バックパックの口紐をキュッと締める。

ポートランドair bnbの宿へ向かうには、バスを1度乗り継がなくてはならない。まずは最初のバス停へ。バス停はただ表示が立っているだけ。雨の中、バス停の表示付近で立って待つ。誰も来ない。

少しすると、ビッグサイズの白人女性(おばちゃん)がやってきた。不安が少し和らぐ。おばちゃんはバス停にやってくるなり尻のポケットから豪快にビニル袋を1枚取り出し、何をするのかと思いきや、地面に敷いてそこへ座った。
「足が悪くてね。」
肥満のせいだろうか。足が悪かったら、ダイエットもできそうにない。
「ここに行きたいんですが、どうやったら良いですかね?」
おばちゃんにケータイの画面を見せながら尋ねる。
「ああ、乗り換えが必要なんだね。乗り換えのバス停に着いたら教えてあげるよ。」
言葉を交わせば、もうお互い知り合い。不安だった心が少しだけ安らぐ。

おばちゃんのファインプレーによって乗り換えのバス停に到着。次のバスを待つ。
向こうから中学生くらいの女の子がやってくる。
「ちょうどお金がなくて家に帰れないんだけど、バス代を出してくれませんか?」
一瞬真にうけてしまったものの、どこか疑わしさを感じた僕は、
「ごめんね、僕も今ちょうどお金がないんだ。」

女の子が去った後、バス停で一緒にいたおばちゃんがこう言った。
「お金をあげちゃダメよ。あの子が欲しいのはバス代なんかじゃないの。クスリを買うお金よ。」
見た目は普通の中学生の女の子。しかしこんな子でも、ドラッグの魔の手に染まっている。なんだかアメリカのダークサイドを見てしまった感覚。複雑な気持ちに駆られつつも、ポートランドの郊外にある宿に到着。