Soul-Searching Travel !!

アメリカ旅行の思い出(2014年9月2日〜11月28日)

アイランド・ホッピング

f:id:RY1201:20141024104203j:plain

ポートランド最後の夜、メルセデスからこんなことを言われた。
「次はどの街に行くの?えっ?ハートフォード?あんまりよくない街ね。犯罪が多いところよ。」

アメリカ人に「次はどの街へ行くの?」と聞かれそれに答えると、たいていの場合第一声で返ってくる言葉は「ナイス!」続いてその街のウンチクを自慢げに語り始める。

ただし今回は違った。
ハートフォードがそんなにも恐ろしい街なのか、それともメルセデスハートフォードに対して何か嫌な思い出でも持っているのか、真相は定かでない。しかし実際に、ハートフォードは犯罪が多い街だそうだ。(事前の調べでは全く気がつかなかったが、後から人に教えてもらった。)

現在この街は多くの保険会社の拠点となり、「保険の首都」と呼ばれている。
でもあいにく僕は保険マニアじゃない。どちらかと言うと保険というものにどこか胡散臭さを感じている人間だ。

その他にこの街の特徴を挙げるとすれば、マーク・トウェインの家があるという点。
でもあいにく僕は「トム・ソーヤーの冒険」も「ハックルベリー・フィンの冒険」も読んだことがない。一度手に取った覚えはあるんだけれども、きっと途中で放り投げたんだと思う。


それじゃあ、なぜ僕はハートフォードに行くのか?

ポートランドというアメリカの北の果てまで来てしまった僕は、これから南に向かわなくてはならない。今回の旅ではなるべく荷物を軽くするために、上着など、かさばるものを持って来ていない(おかげで3ヶ月分の荷物がバックパック一つに綺麗に収まる)。アメリカ東海岸の寒い冬から逃げるようにして南へ向かい、そのままアメリカの底辺に沿う形で西の果てカリフォルニアへ行こうという算段だ。

そして、ポートランドの南にあるエキサイティングな街といえば、次はフィラデルフィアくらいしかない。今回の貧乏旅行の原則、「移動はバス」。ポートランド - フィラデルフィア間のバス移動はだいたい10時間以上かかる。バスで10時間。どこからか「若いんだから頑張れよ!」という声が聞こえて来そうだが、旅の期間は3ヶ月もある。無理せず、ゆっくり進めば良い。

ということで、僕は「どこかポートランドフィラデルフィアの間に良い宿は無いかなあ」と、air bnbで物件をあさっていた(air bnbでの宿探しは、結構楽しい)。その時ビビッときたのがモンティの家。ハートフォードの郊外にある。一泊5000円以下という僕の基準をクリアし、かつ写真を見る限り部屋はホテルのように広く、綺麗だ。そしてこれまでのゲストによるレビューも良い。(モンティっていう名前もなんだか可愛い。)

旅の開始から2週間弱、ちょうど一息つくのにも良い頃だろう。街が危険だからといったって、一日中家にこもっていれば関係ない。今後の旅の計画でもゆっくり考えるとしよう。

メルセデスの家が微妙だったために、これから4泊もするモンティの家への期待は高まる。
「モンティ家(んち)に行こう!」
なんだかよく分からないが、この合言葉がオートマティックに僕の脳内で繰り返し再生される。

早朝5時30分、欲張りな僕は新鮮なポートランドの朝の空気を余計に吸い込み、ハートフォードへと旅立った。