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アメリカ旅行の思い出(2014年9月2日〜11月28日)

紀貫之は下手くそ。

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夕方からMoMAへ入場。

正式名称は「ニューヨーク近代美術館 (The Museum of Modern Art, New York)」、その頭文字をとって「MoMA」と呼ばれる。ニューヨークには美術館、博物館が数多くあり、いずれも価値ある作品をたくさん所蔵しているが、そのなかでもビッグ3(残る2つも行ったので後述しようと思う!)の一角を占める。

その名の通り、近現代美術を専門として展示する。1929年に設立された当初はセザンヌゴーギャンゴッホを当時の「前衛」画家として展示していたというのだからちょっとした驚き。そして「前衛」という言葉から想起される通り、展示物の多くは常人には理解し難いものばかり。(芸術作品を「理解」すべきかそうでないかという議論はさておいて......)

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1898年、正岡子規は有名な『歌よみに与ふる書』の冒頭でこう述べる。
「貫之は下手な歌よみにて古今集はくだらぬ集に有之候」
それまで存在自体が権威とされてきた紀貫之に対してこのように言い放つ姿からは、まさに芸術家の魂を感じることができる。この人物もまた、秋山真之と同じく『坂の上の雲』の主人公の1人であり、明治の快男児。

芸術は常に過去を乗りこえ、新しい価値を生み出そうとする。過去に学び、過去を破壊し、これまでにない価値を追求する。このような流れを繰り返し続けた結果、現代美術はこんな感じになった。

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バーネット・ニューマン「ワイルド」

「......。」どうやら有名な作品らしいのだが、この少しの幅を持った棒にいったい何を見いだせば良いのか......難しい。この棒にいったいどのくらいの値段が付くのだろうか。

引き続き、感動の近現代芸術をご覧あれ。

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日本でも有名なピカソの絵。たとえ芸術に関する知識を持ち合わせておらずとも、やっぱり実物を見ると感動する。特に、教科書やテレビで目にしたことのある有名な作品に関しては。

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数あるMoMAの作品の中でも圧倒的な人気を誇る作品。ここだけ人の混み具合が違う。作品に近づけない.......そういえば入場の時にスタッフのおばちゃんが言ってくれた。
「館内の作品をいちいち全部見ている暇はないわよ。とにかくまず、見たい作品のところへ行きなさい。人気の作品だと、なかなか見られないこともあるから。」
こういうことだったのか。

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アンリ・ルソー「眠るジプシー女」

こちらは2番人気と言ったところか。ミーハー的に読んだ高階秀爾『続 名画を見る眼』(岩波新書で確かこの作品が絶賛されていた記憶がある。

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グスタフ・クリムト「Adele Bloch-Bauer Ⅱ」

幻想的。どこか絵に引き込まれる感覚がある。クリムトの絵は見てすぐ感動しやすい。やっぱり素人にはこういう絵の方が良い。

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マルセル・デュシャン「自転車の車輪」

「これぞ芸術!」と言わんばかりに展示されているのは、椅子の上に逆さまに取り付けられたただの車輪。
作品自体に価値があるのか、デュシャンの作品だから価値があるのか。

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マルセル・デュシャン「三つの停止原器」
またしてもデュシャン
彼は「長さ1mのひも」を「高さ1m」から、カンバスに向かって落下させた。それをそのままカンバスに固定し、できた作品がこれ。デュシャン曰く、「長さの単位の、新しい概念だ。」
この作品を全身全霊込めて製作している姿を想像すると、笑えてしまう。いや、笑ってはいけない。分かる人には分かるのだ。きっと。

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Josephine Meckseper 「Blow-Up」

まあ、芸術と言えなくもない。

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西角友宏「スペース・インベーダー」

ちゃんと日本の作品もある。
単純なルール、されどプレーヤーを中毒にさせる奥深さ。これぞ芸術。

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Kiki Smith「My Secret Business」

個人的に1番のお気に入り。なんというか、センスが素敵。


まだまだ書ききれないほど楽しい作品がある。
芸術の奥深さを知った1日。